サプライチェーンマネジメントSupplyChainManagement

サプライチェーンマネジメントについての考え方

当社グループでは、サステナビリティ基本方針に基づき、持続可能な美容産業の創造、持続可能な社会の実現に向けて、事業活動を行っております。当社事業の推進にあたっては、サプライヤーの皆さまと共に作り上げる持続可能なサプライチェーンの確保は重要な課題の一つであり、法令を遵守した公平・公正な購買調達活動や、自然資源の保護、環境保全、人権などに配慮し、これを実現します。

ミルボン　サステナビリティ調達基本方針

基本方針

1. 公平で公正な取引の実現
   私たちは、購買取引にあたって、国内外を問わず全てのサプライヤー様に公平な競争の機会を提供します。また、お取引にあたっては、品質・価格・納期・経営の安定性・供給能力等を総合的に勘案し、公正にお取引先を決定します。
2. 法令や社会規範の遵守
   私たちは、購買取引にあたって、関連する法令遵守の徹底、社会規範に則した取引をおこない、自然資源保護、環境保全、人権などに配慮し、社会的責任を果たす取り組みに努めます。
   また、お取引先との接待・贈答等は社会常識の範囲内とし、ミルボングループ倫理行動指針に準じておこないます。
3. 相互の発展
   私たちは、調達活動を通じ、お取引サプライヤー様との共存共栄を図り、長期的な信頼関係の構築、相互の発展を目指します。
4. 情報の保護
   私たちは、購買取引を通じて知り得たお取引先の機密情報及び個人情報を守秘します。

当社調達活動におけるサプライヤーさまへの要請

当社は、持続可能なサプライチェーンの確保に向けて、パートナーであるサプライヤーの皆さまに対しても、下記に「サプライヤーの皆さまへの要請項目」を共有させて頂きます。
サプライヤーの皆さまにおかれましては、当要請項目の趣旨をご理解いただくとともに、持続可能なサプライチェーンの確保に向けて一層積極的に取り組むことをお願いするものです。

サプライヤーの皆さまへの要請項目

＜社会的責任への配慮項目＞

• 法令、社会規範の順守
• 人権と労働の権利への配慮
  1. 基本的人権の尊重と差別の禁止
  2. 児童労働の禁止
  3. 強制労働の禁止
  4. 健康で安全に働ける職場環境の整備
  5. 過剰な時間外労働の排除
  6. 最低賃金や生活賃金の権利の尊重と支持
  7. 結社の自由や団体交渉に対する権利の尊重と支持
• 公平・公正な活動
  1. 腐敗の防止
  2. 商取引に関する法令の遵守
  3. 反社会勢力との関係の排除
  4. 政治、公務員との適切な関係
• 個人情報を含む機密情報の厳重管理

＜環境への取り組みへの配慮項目＞

• Co2/GHG排出を含む、気候変動問題への対応
• エネルギーや資源の効率的な使用
• 生物多様性の保全
• 水使用量の管理などを含む、水保全活動
• 環境問題への取り組みや汚染の防止
• 廃棄物の削減及びリサイクルの推進

上記、要請項目に対するサプライヤーさまの取り組み状況ついては、毎年サプライヤーさまへのアンケート調査等を実施させて頂きながら、必要に応じて取り組みの強化等を要請させて頂きます。

また、当社自身も当社基本方針にかかる取り組みの内容について、積極的に情報開示を行い、サプライヤーさまとの相互発展・連携を経て、持続可能なサプライチェーンの確保を目指します。

具体的な対応の状況

（1） サプライヤーさまへのアセスメント調査の実施

「ミルボン サステナビリティ調達基本方針」に基づく活動の推進に向け、年1回サプライヤーの皆さまへのアセスメント調査を実施させて頂くこととしております。
本調査の目的は、サプライヤーの皆さまにおけるサステナビリティに関する取り組み状況の把握、および当社のサプライチェーン上における課題を認識することにあります。
本調査の結果概要はサプライヤーの皆さまと共有し、共に改善に向けた取り組みを検討、推進してまいります。

＜2023年度調査の概要＞

対象

株式会社ミルボンにおける原料及び資材を提供頂いているサプライヤーさま及び、ミルボンタイランドにおける原料及び資材を提供頂いているサプライヤーさま

対象サプライヤー数

国内原料会社125社、国内資材会社18社、タイ原料会社44社、タイ資材会社6社　合計193社
（当社全取引サプライヤーさまに対するカバー率96％※購入金額ベース、回答率90％）

調査実施時期

2023年10月～12月

調査項目

調査方法としては、国連グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンが作成したセルフ・アセスメント質問表(以下、GCNJ SAQ)へのご回答依頼、またはEcovadis加盟企業様においてはスコアカードの結果を共有頂き調査を行っております。

GCNJ SAQの概要と結果サマリー

GCNJ SAQの概要

結果サマリー

全体の平均得点率は80％で、最も得点率が高い項目は「品質・安全性」であった一方、「人権」「サプライチェーン」といった項目での得点率は相対的に低くなっております。概ね、得点率は高水準とみられますが、得点率が比較的低い水準の項目や、個別のサプライヤーさまの課題と感じられている部分においては、本調査結果のフィードバックや、活動支援、協議を行った上で、より持続的なサプライチェーンの構築に活用していきたいと考えています。

Ecovadisの概要とスコアカード結果サマリー

Ecovadisの概要

EcoVadis社の調査は、世界中のサプライチェーンの持続可能性を推進することを目的に「環境」「労働と人権」「倫理」「持続可能な資材調達」の4つのテーマに分類された21のCSR分析基準により、企業のサステナビリティへの取り組みを評価するものです。これまで175の国と地域、200業種、10万社を超える企業が調査対象となっています。
Ecovadis社の登録企業は、規模、業種、事業展開国に応じて50程度の独自の質問票が用意され、質問票回答と証明書類を提出後、アナリストによる分析・評価がなされます。評価結果であるスコアカードは「環境」「労働と人権」「倫理」「持続可能な調達」の４テーマと総合点が評価され、他社へのスコアカードの共有が可能となります。

結果サマリー

国内対象53社・海外対象22社の合計75社対象

全体の総合点平均は59.6と、Ecovadisが発行する年次報告書※に記載の最頻値である45-54を上回る結果となっています。「環境」のスコアリングが最も高く、「持続可能な調達」のスコアリングが相対的に低くなっております。GCNJ SAQと同様に本調査結果のフィードバックや、活動支援、協議を行った上で、より持続的なサプライチェーンの構築に活用していきたいと考えています。

（出所）EcoVadis Business Sustainability Risk and Performance Index 2021

（2） RSPO認証パーム油の採用

当社では、製品の主要原料の一つであるパーム油の持続可能な調達に取り組んでいます。

当社製品の主要原料であり、世界的にも需要の高いパーム油を持続可能な形で使用していくため、2019年にRSPO※1へ加盟。一部原料より認証パーム油への切り替えを進めています。当社製品の主要原料として使用されている全てのパーム油について、2030年までにRSPOのMB（Mass Balance）またはBC（Book & Claim）認証※2を受けた原料を使用を目指しています。
2022年には、当社基幹生産工場であるゆめが丘工場において、サプライチェーン認証※3の取得が完了いたしました。

上記取り組みは、当社におけるサステナビリティ５つの最重要課題として設定しており、中長期的な目標を掲げ、取り組みを推進しております。

具体的な目標、実績の進捗については、https://www.milbon.com/ja/sustainability/humanrights/action01.htmlをご参照ください。

RSPO…持続可能なパーム油の生産・利用を目指す国際的な認証制度である「持続可能なパーム油のための円卓会議(Roundtable on Sustainable Palm Oil)」のこと

MB認証/BC認証…RSPOが認証する各基準のこと。MB(Mass Balance)は、認証農園からの認証油が流通過程で他の非認証油と混合される認証モデル。物理的には非認証油も含んではいるが、購入した認証農園とその数量は保証される。BC (Book & Claim)はRSPOにより認証された生産者が生産した認証油に、認証クレジットを発行。その認証クレジットを購入することで、認証パーム油の生産者を支援する仕組み

サプライチェーン認証（SCCS認証）：SCCS：Supply Chain Certificate Systemの略。認証パーム油を使用して作られた製品を取り扱う、製造・加工・流通過程でSCCS認証の要求事項を満たしているかを認証する制度。

外部評価について

今後も引き続き持続可能なサプライチェーンの構築に向け、サプライヤーの皆さまとの協働の下取り組んでまいります。