水資源への対応ResponsetoWaterResources
水資源についての考え方
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ミルボンでは、主力であるヘアケア剤をはじめとして、多くの製品において水を使用しており、お客様が製品を使用される際にはすすぎを必要とするなど、事業活動のあらゆる場面で水は切り離せない存在であると認識しています。水資源の保全においては、各事業地域の水ストレスの詳細把握や、節水、循環利用などの有効活用に努め、積極的な保全活動を推進していきます。
2024年現在においては、ミルボングループのなかで水資源の利用が最も多い当社基幹生産拠点である「ゆめが丘工場」において、管理計画に基づいた取水・排水量の把握、所在地域における水ストレスの調査、保全活動の推進を行っています。今後は、連結子会社の生産拠点をはじめ、国内外の事業拠点を含めたグループ全体の取水・排出量の把握や所在地域ごとの水ストレス調査および対応策の検討に努めてまいります。
ゆめが丘工場における取水および排水の実績および水ストレス調査の内容
ゆめが丘工場における取水および排水の実績データ
水資源 |
2019 |
2020 |
2021 |
2022 |
2023 |
---|---|---|---|---|---|
水源別取水量「総計」(m³) |
41,767 |
40,445 |
47,219 |
50,261 |
47,138 |
上水「第三者の水源」(m³) |
41,767 |
40,445 |
47,219 |
50,261 |
47,138 |
水使用量(m³) |
41,767 |
40,445 |
47,219 |
50,261 |
47,138 |
水使用量 原単位(m³/t) |
4.934 |
4.885 |
4.900 |
4.690 |
4.665 |
放流先別排出量「総計」(m³) |
22,406 |
23,454 |
26,214 |
29,992 |
26,359 |
下水「第三者への廃水」(m³) |
22,406 |
23,454 |
26,214 |
29,992 |
26,359 |
ゆめが丘工場における水ストレス調査の結果ストレス度
ゆめが丘工場における水ストレスの調査を行った結果、ストレス度は『低(Low※)』と判定されています。
Aqueduct Country RankingにおけるBaseline Water Stressを用いて評価
水使用量削減目標
2026年までに、国内生産拠点におけるゆめが丘工場において、水使用量原単位{水使用量(㎥)/生産量(t)}を2021年対比4%(4.70)以上の削減を維持する。
水使用量削減の取り組み
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純水装置の導入
ゆめが丘工場において、環境負荷軽減の観点から2021年に新たな純水装置を導入しました。以前の装置と比較して純水の回収率が20%向上したことで、翌年2022年には製造に使用する純水の年間使用量は2021年対比約2,000m³削減しており、以降、継続的に水使用量の削減に繋げています。
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部品洗浄機の導入
ゆめが丘工場において、生産設備部品の洗浄をより効率的、効果的に改善させることを目的として 2023 年に新たに部品洗浄機を導入しました。手洗浄と比較し、洗浄力の向上、節水および洗浄時間の短縮に繋がり、生産性の向上と合わせ、水使用量の削減を実現いたします。
排水への配慮
ゆめが丘工場では、公害を未然に防止し、地域住民の健康と生活環境の保全を目的とした環境保全協定*を伊賀市と締結しており、その遵守項目に合わせて、毎月、放流水が協定で定められた規制値内の値であるかの分析を第三者機関へ依頼しています。日常点検においては自社で検査を行い、規制値を下回る状態を維持するための取り組みを行っています。こうした対応のもと、河川放流と同等の処理基準をクリアした状態で下水への放流を行っています。
環境保全協定で定められている項目
・水質汚濁の防止
・大気汚染の防止
・悪臭防止
・騒音・振動の防止
・廃棄物の適正処理
排水経路の水質調査
ゆめが丘工場がある三重県伊賀市において、市民団体「魚と子どものネットワーク」とともに、工場で使用した水が海へ至るまでの直接的な排水経路となっている久米川および木津川の水質調査活動を継続的に行っています。2023年および2024年の5月度に行ったパックテストによる調査の結果では、久米川および木津川の水質は化学的酸素要求量(COD)測定※において数値に異常がないことを確認しました。今後も、継続的に本調査をはじめとした実態把握及び環境負荷軽減に向けた活動に取り組みます。
水中に含まれる有機物による汚濁を測る指標
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地域と連携した取り組み
三重県伊賀市周辺の地域住民および魚と子どものネットワークと協働し、2023年7月に木津川水系の服部川にて「水質調査と水辺の自然観察会」を開催しました。本活動は、体験学習を通じて子どもたちに”水が持続可能な資源として未来もあり続けるためにいまできること“を伝えることを目的としています。継続した活動を行うことで水資源保全および生物多様性への配慮を次世代に繋げ、豊かな水資源の保全・再生に取り組んでまいります。
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産学官連携の取り組み
地域社会との共生および水資源保全活動の推進を目的に、産学官で対話を行う「いのちをつなぐ水と流域地球市民対話プロジェクト」に参加しています。
本プロジェクトでは、現在および今後予測される世界規模での水資源枯渇問題に対して、有識者からのプレゼンテーションを通じた参加者間での知識共有を行うほか、その上でいまできること、次世代へ継承していかなければならないことを産学官でパネルディスカッションしながら相互理解を深めるものです。
ミルボンでは今後も地域や産学官との対話推進および水資源をはじめとした限りある資源への保全活動へ積極的に取り組んでまいります。
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